記事のアーカイブ

2014年10月13日 21:43

摩擦

でそうすればイデオロギーは決して社会全体に対して通用出来ないもので、 夫は自分が代表する一つの階級にしか通用しない、ということになりそうである。 二つの階級が並立していて、之を総括するものが社会だと考えてはならぬ 渋谷 風 俗 (社会学者はそういう風にしか考えないかも知れないが)。 袋の中の二つの球は――仮に衝突したり摩擦し合ったりしても―― まだそれだけでは対立してはいない、単に並存しているに過ぎない。

続きを読む

—————

2014年10月10日 20:03

観念論型の体系

社会的意識――この超個人的意識――はもはや全く個人的意識では ないにも拘らず、やはりまだ個人主義的に取り扱われるのが、之までの伝統であるように見える。 さてそこで今や吾々は、超個人的意識・歴史的意識・社会的意識―― 日暮里 風 俗 そして之等のものが心理学的な術語としての意識に較べて意識という 常識概念に却ってより忠実なのである――が、これまで述べてきたような 観念論型の体系によっては、充分に把握出来ないということを見透すことが出来る。

続きを読む

—————

2014年10月09日 16:52

社会的停滞

わが国のインテリゲンチャも国際世界の大勢に従って、 資本主義制度の社会的停滞と共に次第に無用のものとなり、 それだけ自然の結果として低能化して来た今日、 蒲田 風 俗 丁度ドイツの学生達が反動的であるように――彼等はその 進歩性をフランス大革命への感激の涙と共に流し去って了った―― 反動化しつつあるのは事実である。

続きを読む

—————

2014年10月06日 20:04

文章学

著者は、文章学というものが過去の修辞学と異なったものとして うち立てられる現代の必然性を大体次のように要約されている。 ブルジョア文化史のある一定段階の現象として過去三、四年来の 日本橋 風 俗 日本の作家の間に著しく現れた文章道への関心・熱中にともなわれ、 心理学者がその分析・整理・理論づけに着手されるようになった一例として、 私は、この著者の努力に冷淡であり得ないのである。

続きを読む

—————

2014年10月03日 13:12

夢の起源

おそらく夢の起源は、人間にも動物にも共通して、 祖先の古い生活經驗を遺傳しているところの、先驗的記憶の再現である。 人間の夢の中に、蛇や蜥蜴やの爬蟲類が、最も普通にしばしば現はれるのは、 新大久保 風 俗 フロイドの言ふ如く性欲の表象でなく、おそらく人類の發生期に於て、 それらの巨怪な爬蟲類が地球上に繁盛し、憐れな頼りない弱者であつた 我等の先祖を、絶えず脅かしていた為であらう。

続きを読む

—————

2014年10月02日 18:31

油(あぶら)の瓶

「うんそれでいいさ」とお父さんがいいました。 ホモイはため息(いき)をついて玉を函(はこ)に入れてじっとそれを見つめました。 みんなは、だまってご飯(はん)をすましました。 五反田 風 俗 お父さんは、「どれ油(あぶら)を出してやるかな」と 言(い)いながら棚(たな)からかやの実(み)の 油(あぶら)の瓶(びん)をおろしました。

続きを読む

—————

2014年10月01日 19:48

戸棚

「お前はもうだめだ。貝(かい)の火を見てごらん。 きっと曇(くも)ってしまっているから」 兎(うさぎ)のおっかさんまでが泣(な)いて、前かけで涙を 五反田 風 俗 そっとぬぐいながら、あの美しい玉のはいった瑪瑙(めのう)の 函(はこ)を戸棚(とだな)から取り出しました。 兎(うさぎ)のおとうさんは函(はこ)を受けとって蓋(ふた)をひらいて驚(おどろ)きました。

続きを読む

—————

2014年09月29日 19:30

お辞儀

お暇(いとま)をして。さ。おじぎ。ご免(めん)くださいませ」 そしてひばりの親子は二、三遍(べん)お辞儀(じぎ)をして、 あわてて飛(と)んで行ってしまいました。 人 妻 デリ ヘル ホモイは玉を取りあげて見ました。玉は赤や黄の焔(ほのお)をあげて、 せわしくせわしく燃(も)えているように見えますが、 実(じつ)はやはり冷(つめ)たく美(うつく)しく澄(す)んでいるのです。  

続きを読む

—————

2014年09月26日 18:06

鎖と分銅

「うん、なかなかいいね。」象は二あし歩いてみて、さもうれしそうにそう云った。 次の日、ブリキの大きな時計と、やくざな紙の靴とはやぶけ、 象は鎖と分銅だけで、大よろこびであるいて居(お)った。 町田 高収入 「済まないが税金も高いから、今日はすこうし、川から水を汲(く)んでくれ。」 オツベルは両手をうしろで組んで、顔をしかめて象に云う。 「ああ、ぼく水を汲んで来よう。もう何ばいでも汲んでやるよ。」  

続きを読む

—————

2014年09月25日 18:36

時節

しかしその粟餅も、時節がら、ずいぶん小さくなったが、 これもどうも仕方がないと、黒坂森のまん中のまっくろな 巨(おお)きな巌(いわ)がおしまいに云っていました。 大阪 人 妻 うずのしゅげは、植物学(しょくぶつがく)ではおきなぐさと 呼(よ)ばれますが、おきなぐさという名はなんだか あのやさしい若(わか)い花をあらわさないようにおもいます。

続きを読む

—————


お問い合わせ先

myuum


ニュース

2014年07月28日 20:46

魔界

「実家の事かねえ、ははん。」スポンと栓を抜く、件の咳(せきばらい)を一つすると、 これと同時に、鼻が尖(とが)り、眉が引釣(ひッつ)り、 額の皺が縊れるかと凹(へこ)むや、眼が光る。 六本木デリ...

続きを読む

—————

全ての記事

—————


タグ

リストは空です。